第三十一章『誰かのための灯』【明治葬儀社編】

第三十二章『誰かのための灯』【明治葬儀社編】
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“ありがとう”という言葉が、必ずしも相手に届くとは限らない。  けれど、誰かを思って発されたその一言は、  見えない場所で、静かに誰かの胸を照らしていることがある。

 それは、灯のようなものかもしれない。  手元にあるうちは温もりを感じるだけで、  そこにどれほどの暗闇を照らしているのか、本人にはわからない。

― たった一言が、見えない場所に光をともす ―

その日、明治葬儀社に一本の電話が入った。  声の主は、先月葬儀を終えた遺族の一人。  「あの……ブログ、読んだんです。旅人さんの」

 旅人は少し驚いた。  黒革の手帳に書きためていた記録の一部を、  最近、非公開ながら葬儀社の小さなブログに転載していたのだ。  身内に語れなかった想いや、現場で感じた小さな気配たち。

 「兄のこと、誰かが覚えてくれてるって思ったら……少し、楽になりました」

 それだけを言うと、電話の相手は「ありがとうございました」と一言だけ残して、通話を切った。

 旅人はしばらく、受話器を置いたまま動かなかった。  ほんの数行の言葉が、誰かの心を少しでも照らすのだとしたら。

 それはきっと、書いた本人の想像を超えた“灯り”なのだろう。

 その晩、旅人は黒革の手帳を開いて書き添えた。

1995年12月28日。電話にて。 小生の記録が、誰かの記憶と結びついた。 たった一文が、何かを照らすことがある。 書くとは、光を探すことではなく、光を残すことなのかもしれぬ。 小生、灯をひとつ、受け取った気がした。

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悠々自適なアラフィフライフを楽しむ"よこみ"との何気ない日々を綴るブログ。

こんにちは!私たちは、アラフィフの"Tabibito"と、パートナーの"よこみ"です。充実した人生を送りながら、穏やかな時間を共に過ごしています。

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