1995年12月– date –
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Story
第三十一章『誰かのための灯』【明治葬儀社編】
“ありがとう”という言葉が、必ずしも相手に届くとは限らない。 けれど、誰かを思って発されたその一言は、 見えない場所で、静かに誰かの胸を照らしていることがある。 それは、灯のようなものかもしれない。 手元にあるうちは温もりを感じるだけ... -
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第三十章『見えない手紙』【明治葬儀社編】
世の中には、誰かに伝えたくて仕方なかったのに、伝える場を失った言葉がある。 それは手紙の形になることもなく、声に出されることもないまま、静かに誰かの心の奥底で息を潜めている。 けれど、そんな名もなき思いが、思いがけず誰かの支えになるこ... -
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第二十九章『風の抜ける場所』【明治葬儀社編】
別れの儀式において、送る人と送られる人のあいだには、いつも言葉にならない空白が残る。 その空白には、言いそびれた思い、伝えられなかった表情、そして、もう二度と交わせない沈黙が、静かに横たわっている。 その沈黙こそが、祈りとなり、誰かの手... -
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第二十八章『写真のなかの声』【明治葬儀社編】
明治葬儀社に届けられた一通の封筒には、一枚の古びた白黒写真と、未投函の手紙が入っていた。旅人が読み解くのは、“残された言葉”の重さと、“語られなかった声”の存在――。 ― 遺影の裏に残された記録と、声にならなかった言葉 ― 午後の光が事務所の窓際に... -
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第二十七章『香典袋の行方と、名前のないお礼状』【明治葬儀社編】
事務所に届いた1通の“差出人不明のお礼状”。添えられていた香典袋には、金額も名前も書かれていない。旅人と茉莉は、それが誰からのものかをたどる中で、静かに“見送られた記憶”に触れていく。 ― ある家族の言葉にならない感謝 ― 冬の風は、音を持たない。...
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