弥勒如来

弥勒如来

弥勒如来(みろくにょらい/Maitreya:マイトレーヤ)**は、仏教に登場する未来仏、つまり将来この世に現れて人々を救済すると信じられている仏さまです。弥勒はサンスクリット語の「マイトレーヤ(Maitreya)」を音写したもので、「慈しみ深い者」を意味します。

弥勒如来の概要・特徴

– **地位・役割**: 釈迦如来(お釈迦さま)の次に現れるとされる、未来の仏(未来仏)です。現在は兜率天(とそつてん)という天界で修行中とされており、56億7千万年後、地上に降りて新たな仏として人々を救うとされています。

– **信仰の広がり**: インドをはじめ、中国、朝鮮、日本など東アジア圏に広く信仰が広まりました。特に奈良時代の日本では、弥勒を信仰して再生・幸福を願う信仰(来世信仰)が盛んでした。

– **姿・造形**: 仏像としては蓮華座に座した如来形(弥勒如来坐像)もありますが、菩薩時代の名残から菩薩姿(弥勒菩薩)が多く作られました。特徴的なのは半跏思惟像(三日月形の台座に足を組み、頬に手をあてて思索する姿)です。

主な弥勒如来安置寺院

### 日本国内の有名な寺院

1. **奈良県・法隆寺 金堂(国宝)**

   – 弥勒三尊像(623年):聖徳太子ゆかりの古仏群で、中央に弥勒如来坐像。その両脇に菩薩像を従える。飛鳥時代の代表作。

2. **京都府・広隆寺(国宝)**

   – 弥勒菩薩半跏思惟像(飛鳥時代):日本最古の仏像の一つとされ、優美な姿、アルカイックスマイルが特徴。国宝指定。

3. **奈良県・中宮寺**

   – 弥勒菩薩半跏思惟像(飛鳥時代):女性的な柔和さを備えた表情が印象的。こちらも国宝。

4. **奈良県・當麻寺(金堂・講堂など複数安置)**  

   – 大きな弥勒仏坐像が安置されています。

5. **大阪府・野中寺**

   – 弥勒半跏思惟像が伝わり、飛鳥時代の仏像の名作。

## 中国・朝鮮半島の例

– 中国や韓国にも多くの弥勒信仰があり、洛陽龍門石窟や韓国・金銅弥勒菩薩半跏思惟像(国宝)が有名です。

象徴・意味

弥勒如来は、現世ではなく未来世界を約束する「救いの仏」として、末法思想(末世で人々を救う存在)と深く関わっています。くちびるにほほえみをたたえた穏やかな表情は、苦しみや煩悩を超越した大慈悲を象徴しています。

**参考文献・公式サイト**  

– 法隆寺公式サイト:[https://www.horyuji.or.jp/](https://www.horyuji.or.jp/)

– 広隆寺公式サイト:[https://www.koryuji.or.jp/](https://www.koryuji.or.jp/)

– 中宮寺公式サイト:[http://www.chuguji.jp/](http://www.chuguji.jp/)  

– 文化庁 国指定文化財等データベース

この文章は2024年現在の史実や公式情報、学術的知見をもとに作成しています。

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